豚の泪

人でごった返す通りに、夜店が並んでいる。 いわゆる「ゲテモノ」や、串焼きや、おみやげものや・・・。 頭上にはあちらこちらに例のオレンジ色の玉電球がぶら下がって、人々の頭上から、売り物である食べ物や品物を照らしている。 怒声にも近い、私の知らないどこかの国の言葉と、人々が行き交う中、私は足を止めて、ある一点をみつめている。 頑丈そうな台の上に横たわった、巨大な豚。 大きな大きな豚の胴体は、長く寝そべっているように見え、豚のお腹はほぼ空洞。お腹の中に何か詰め物をして、この後焼かれる。 この地方独特の料理なのかもしれない。 豚はとにかく巨大で、一人の女性が何を怒鳴りながら内臓が少しだけ残っているお腹に何かを詰め込んでいる。 詰め込む作業はまだ始まったばかりで、胴体の中にはまだまだ余裕がある。 あのお腹にいっぱい詰めるにはあとどれぐらい時間がかかるのだろう。 と考えながらよく見ると、驚いたことに豚は生きていた。 お腹が静かに呼吸のリズムを刻んでいる。 豚は新鮮でなければいけないという理由から、生きたまま、何かの方法で身動きがとれないように横たわらせておいたらしい。 それにしても、内臓がほとんどとられてお腹の中は空洞なのに生かしておくなんて事ができるのか。 私が通り越しにじーっと見つめる中、豚はおとなしく詰め物が終わるのをじっと待っている。 つまり、死を待っている。じっと。 詰め物の準備が終わったらしい。 横たわっていた巨大な豚は、どっしりと重たくなったお腹を閉じられ、詰め物を入れるために裂…

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抜け道

ふと見回してみると四方が壁で塞がれていて逃げ場がないと感じるとき。 一体、どうすればいいのか、先行きが見えず、絶望的になる。そういう時が誰にでもあると思う。 そういう時、どうするか。 四方のうちの一面の壁をぶち壊すべく、ひたすら叩くか、壁を乗り越えようとあがくか。 この前読んだ、コドウォンの朝の手紙によれば、そういう状況で「壁の一面が崩れるのをただじっと待つ」のが正解らしい。 ただじっと待っていて壁が崩れなかったらどうするんだ、と突っ込みたくもなるけれど、でもしかし。 振り返って考えてみるとなるほど、もーだめだ。と思った状況から、必ずどこかに抜け道があったなぁ。 何かに困る度に抜け道を探し、その道を突っ走ると、そのうち、それが困った末に選択の余地がなくて、しょうがなく選んだ道ではなく、私がもともと進むべき本来の道だった事に気づく。そしてまた一直線に突っ走る。行き詰まるとまた立ち止まって抜け道を探し、進む。 しばらくするとそれが抜け道ではなくもともと私が進むべき道だったという事に気づく。 その連続だなぁ。 その事に気づくと、ちょっとやそっとの「難関」にぶち当たっても気分はちょっと楽になる。 抜け道は必ずあるのだし、それは私が本来進むべき道なのだから。 ブログランキングに参加しています!押してね!!

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エネルギー。

手のひらの、中指の真ん中辺りに、いつの間にかホクロが出来ていた。 ゴミがついているのかと思って引っかいてみたけれど、それはホクロだった。 「手のひらにホクロがあると、お金をつかむ」んじゃなかったっけ? この前の夢と言い、ホクロと言い、私は最近、しょーもない事を無理やり幸運に結び付けようとしているようだ。笑

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いい事ありそう?!

昨日の夢。 空中をふわふわと飛んでいる。 人たちの注目を浴びながら、人々の合間を縫って飛んでいる。 そして途中からは壁やドアも通り抜けられることができるようになっていた。いつの間にか。 ドアに向かって飛んでいって、いとも簡単に通り抜ける。壁もまた然り。 すると大波がやって来た。 窓がガタガタと震えだし、水がすぐそこまで来ている。 そしてバシャ-ンと水が家に押し寄せてきた。 一度目の波はそんなに大きくなかったのに、一人の男の人がバタリと倒れ、どうやら死んでしまったようだ。 その後も大波がどんどん押し寄せてくる。 ・・・と、そういう夢。 これって、俗に言う「いい夢」なんじゃないの? 何かいい事ないかなぁ。

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オフィスの住人

会社の2階にあるオフィスで仕事していた私は、先月から仕事時間の半分は1階にある売り場に出ている事になった。 午後から出社し、夕方までデスクで仕事をこなし、夜は閉店する10時半まで売り場にいた昨日の事。 閉店時間が迫ってきて、さて今日の仕事も終わり、という事でデスクに置いてある自分のかばんを取りに2階に上がった。 私のデスクがあるそこは、ドアを開けると通路に沿って7つほどのマネージャーの個人オフィスが並んでおり、コの字型に曲がったちょうど角のところに私のデスクがある。 たまに遅くまで仕事しているマネージャーもいるが、さすがに10時半までオフィスにいる人はいなくて、荷物を取りに行くと、いつも昼間は開け放たれているドアは全部閉まっている。大きめに取ってある窓は、各オフィスの中にあるのでドアが閉まっているとただ味気ない通路が続いていて、昼間は静かに効いている空調も夜は止まっているのでまさに静寂に覆われている。 昨日もかばんを取りに2階に上がり、デスクに通じるドアに手をかけた。 その時、女性の話し声がはっきり聞こえた。 声は例えば、とても親しい男友達と今日あった事なんかを楽しそうに話しているような。 何を言ってるのかはわからなかったけれど、サイパンのローカルのアクセントが入った英語を話しているのはわかった。 え?こんな時間にまだ誰かいる?! ドアに手をかけたまま、私は立ち止まり、この声がどこから聞こえてくる声なのかを探ろうとした。 売り場がある階下から聞こえてくるのかと、背後にある階段の方に耳を澄まし…

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二人のワタシ

以前、不思議な体験をしたことがある。 結婚して間もない頃、リーさんと居間でビデオを見ていて、余程つまらない映画だったのか、そのまま二人とも寝入ってしまった。 その頃住んでたアパートは、一階にガレージ、玄関を入ってすぐ階段で二階に上がり、そこにキッチンと居間、三階に寝室があった。 ちょっと変わったつくりで、二階のキッチンになるドアを開けると、二階であるはずのそこからも外に出られる、という作りのアパートで、土地自体が傾斜になっていたのでそういうふうになっていたのだった。 居間に敷かれたマットレスで寝ていた私は「バタン!」とドアの閉まる音で目を開けた。ちょうど朝日があがってくるぐらいの明け方だった。 仰向けに寝ていた私はとっさに階段をはさんだ向こうにある、キッチンのドアに目をやった。 ドアは閉まっていた。ドアが閉まる音がしたのだから、閉まっていて当然なのだが、私は「このドアじゃなかったら玄関のドアだな、」と思った。 まだボーっとしている頭で、何でこの時間にドアが閉まる音が・・・?と不審に思いながらも、寝ぼけた頭で取りあえず横に寝てるリーさんを起こしてみる。 でもリーさんは背中を向けてぐっすり寝ていて起きる気配もない。 私は立って行き、階段の手すりからそっと階下の玄関をのぞいた。 すると玄関のドアが開いていて、燦燦と、というのがぴったりな爽やかな朝日が差し込んでいた。 そして私はぎょっとして立ちすくんだ。 そこでは、二人の男の人と一人の女の人が朝日を浴びて、それぞれがホウキを持ち、楽しそうに低い声で和…

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