祈り。
9歳と10歳の、二人の女の子の姉妹が失踪してからすでに5日が経った。
朝6時前後に、道端にある公立学校のバス乗り場にいるのが目撃された後、行方不明だという。
バスには乗っていなく、姉妹を養育していた祖父母は、下校時間が過ぎても帰宅しない事からやっと、朝から行方不明になっている事に気づいたと言う。
最初にニュースを聞いた時には正直、軽く考えていた。
友人の家に遊びに行ってた。とか、親戚の叔父さんの家に行っていた。なんて、そんなところだろう、と思っていたのに。
5日間、捜索してもみつからないという。
この小さなサイパンの、一体どこで。誰が。
何があったのだろう。
他人とはいえ、9歳と10歳の女の子二人。
ご飯はちゃんと食べているのだろうか。
最近、家で台所に立つ度に、思う。
サイパンでは考えられなかった「事件」。
まるで神隠しのように、消えてしまった姉妹。
最後に姉妹が目撃されたバス停は、うちからも遠くない距離。
ジェイクの学校に行く時にはいつも通る道でもある。
週末には、うちの上空にもヘリコプターが何度も通過して行った。
捜索しているのだろう。
今日は、スピーカーを積んだ車が道路を走っていた。
ローカルの言葉だろうか。私の知らない言葉で、放送しながら通り過ぎていった。
どこかの家屋の中で、放送の声を聞いているかもしれない姉妹に話しかけているのだろうか。
無事に帰ってくる事を、祈っている。