ブラウニーの夜
ジェイの学校プロジェクトで、チョコレートブラウニーを二つ、焼いてくれという。
食べるのではなく、ナントカという火山の実験に使うのだそうだ。
「明日焼いてね。」というリクエスト。
明日の夜焼いて、あさっての朝、学校に持っていくのだと思った私は「いいよ。」とすんなり請け負った。
夕食後に焼いておいて、翌日の朝、学校に持っていけばいいのだ。お安い御用。
翌日。
学校に迎えに行くと、ジェイともう一人の友人-Cが当たり前のように車に一緒に乗り込んでくる。
「へっ。C、なんで一緒に乗るの?今日何か約束してたっけ??」
途端にジェイが抗議の声。
「オンマーッ!ブラウニー焼いてくれるって、昨日確かに言ったでしょ!」
焼くとは言ったけど、学校終わってから夜焼けばいいんでしょ?
明日学校に持っていくんじゃないの??
今からCと一緒に家でプロジェクトを完成させてからそれを明日の朝、学校で発表するんだよ!
そんな事言わなかったじゃない!私はこれからミーティングでまた出かけなきゃいけないんだけど!
えーっ!じゃどうすんのプロジェクト!Cのダディにも迎えに来なくていいって言っちゃったのに!
だってそんな事聞いてないもんこれからミーティングだしっ!
我が家では日常茶飯事であるこーゆー親子の会話(←もちろん日本語。)を横で聞いていた、日本語のわからないCは、それでも母と息子のやり合いに雰囲気を感じ取り、明らかに「リョーコに失望」といった表情で、車からすごすごと降りようとする。
「C、待ちなさい。じゃ、こう…