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この前、韓国へ急遽向かったのは、「母の日」の前日。
週末で、子供たちは陸上の試合があったので私は暑いフィールドのテントの下で、子供たちのリレーや短距離などを応援していた。
リーさんは、韓国へ今日出発するか明日にするか、自分だけ行くか家族も皆連れて行くか、そういう事を考えつつ、チケットの手配をオフィスでしながら、フィールドにいる私と連絡を取り合っていた訳だ。
お昼過ぎ。
午後には子供たちのリレーが残っていたけれど、午後4時の飛行機で、家族皆で韓国へ向かう事を決めた私たちは、校長先生と回りにいた友人たちに事情を説明して家へ戻る事にした。
家族ー特に両親と離れて暮らしているという共通点を持つ、私たちサイパン在住者。
数時間後に空港に着いていなければならないという私の説明を聞いて、「お義父さんの無事を祈ってるわ。」「気をしっかり持ってね。」と、涙ぐんでくれる人もいた。
でもお義父さんとのお別れを自分に言い聞かせて、覚悟していた私としては、意識があるお義父さんに会いに行くという事に、涙ぐむという感情はまだなかった。
だから切ない目を向けてくれる回りの人たちと自分の感情の温度差みたいなものにとまどいはあったのだけれど。
とにかくおおまかな説明をして、フィールドを出ようとしたら、ママ友達であるHが私を呼び止めた。
「あ、リョーコ。明日は母の日ね。一緒に祝えなくて残念だわ。」
「あぁ、そうだったわね。本当に残念。」そう答えると、彼女は言う。
「一日早いけど、ハッピーマザーズデイ!一緒に祝えないけど、あ…