no-title

仕事でマニャガハ島のテントの下に座っていると、知り合いが次々とやってきて声をかけてくれる。 韓国人のツアーガイドたちは、お客さんを連れてきて一通りの案内が終わり、お客さんが泳ぎに行ってしまうと、帰りの船の時間まで手持ち無沙汰で暇なので、よく私が座っているテントによって飲み物を持ってきて世間話をしていく。 今日も韓国人の知り合いが暇そうにテントに遊びに来た。 彼は私と同じサル年で、独学で日本語を勉強するぐらい、日本に興味があるそうなので、何かと親しみが持てる。 今日は韓国から甥っ子が遊びに来ているので久しぶりに家族で遊びに着たそうだ。 クリスマスはどう過ごしたか、彼がボランティアでコーチを受け持っているちびっ子サッカーの話などしていると、話の途中にはじかれたように「あ!それじゃもう行かなくちゃ!」とあたふたと去っていった。 あ、そう。と見送ると、私の背後で彼が奥さんに怒られる声が聞こえた。 「どこほっつき歩いてたのよ。家族連れて遊びに来て一人でのんびり寝てばっかりいると思ったらふらりといなくなっちゃうし、何考えてんの?あんたオトコでしょ?帰る時間が迫ってるんだからビーチマット片付けるの手伝うとか、子供たちの着替えを手伝うとか、そういう事考えられないの?キーッ」。 参ったなもー、とか言いながらバツが悪そうに、私の前を通りかかった彼を見て「しっかりしなさいよ。」と笑ってやった。 彼の奥さんはおっとりとした、笑顔を絶やさない優しそうな奥さんだが、そうかそうか、やっぱし家では私とたいして変わらないのね…

続きを読む

休ませろ。

土曜日はいつもの通りマニャガハ島へ。 日曜日と月曜日は「夢の2連休」。のはずだった。 日曜の朝、8時半に電話が鳴る。 この時間に鳴る電話はろくな用件ではない。 久しぶりにこの時間までベッドの中にいた私はのそのそと起き上がった。予想通り、電話を取った途端、マニャガハ島のスタッフの延々と続く言い訳が始まった。起き掛けの電話で不機嫌だったのもあり、彼女の言葉を遮って「だから今日は仕事出来るの出来ないのっ??!」と聞くと「・・・出られないと思う・・・。」 起こされた途端、2連休の夢をぶち壊された私(彼女が仕事に出られないという事は、つまり私が仕事しなければいけないので。)は怒りに任せてまくし立てた。 なんだかんだと理由をつけてるけど、クリスマスイブの夜を楽しんで、二日酔いで起きられないというところだろう。 クリスマスの日だからって私が休んでいいって言った?あんたが仕事の日は責任持って仕事に出るのが当然でしょ?日曜日で私に言えばいつでも替わって貰えるとでも思ってんの?こういうふうに朝電話かけてきて出られないっていうの、何回目だと思ってんのよーっ。仕事する気がないなら家でゆっくり休みなさい。キーッ。といった具合に。 まくし立てた後、これ見よがしにガチャリと一方的に受話器を置き、急いで出かける準備に取り掛かった。 あたふたと準備をしてどうにか9時の船に飛び乗った。 無事仕事を終えて、夜。 明日はどうするつもりかと彼女に連絡してみると、神妙に謝る。 「本当にごめんなさい。子供の世話がどうのこうの。車がなくてど…

続きを読む

予定を変更したサンタクロース

いかんいかん。 すっかり間が空いてしまった。 忙しい日々の合間に、会社の韓国人社員で忘年会を、という事になった。 100人以上いる社員の内、韓国人の社員は女性5人、男性一人のたった6人である。 年齢もバラバラ、下は21歳から、上は38歳(←私。そう、私が最年長なのです。)までで、こうやって集まったのは初めてだ。 日頃、同じ韓国人だという事で何となく親近感はあってもなかなかゆっくり話す機会もなかったので今回、集まれてよかったと思う。 前は、日本人スタッフが集まってマニャガハ島に遊びに行ったのだが、その時は私は日本人の仲間入りをして、今回は韓国人の忘年会に参加でき、どっちにも顔を出せてラッキーだったな。 今年はクリスマスといっても特別な事は何もなく、家でケーキを食べ、肉を焼き、クリスマスツリーの下には一つ一つプレゼントの包みが増えて行き、という感じである。 「アッパ、オンマ」と書かれた、子供たちから私たちへのプレゼントも一緒に置いてある。 私もささやかながらリーさんに、子供たちに、おじいちゃん、おばあちゃんに、うちのメイドさんに、マニャガハ島のスタッフにプレゼントを買いに走った。 日本や韓国にいる家族、回りの友達や子供たちにもプレゼントを買いたい気持ちは山々だったけど、今年はパス。 子供たちへのプレゼントも去年までは、アッパから、オンマから、サンタクロースから、と分けてたのを、アッパとオンマから一つのプレゼントを。 望みのプレゼントを手に入れたJは「あっ!あれも欲しかったのに~。」とまた別のプレ…

続きを読む

白と黒。

パーティを終えて、帰宅した。 ここで書いたように、今年のパーティは「白」が合言葉だった。 去年は「赤」だったのだが、パーティー会場に足を踏み入れると、赤、アカ、あかのオンパレードで、それはもう圧巻、壮観だった。 その調子で、今年も参加者が白いドレスをまとって来るのだろうと想像していたら、拍子抜けした。 去年は皆、あれだけ忠実に守っていたドレスコードは完全無視、といった感じで堂々と黒いドレスで入ってきた人もいれば、普段着のワンピースで席についた人もいて、ドレスコードなんてあってないようなもの、という感じの、去年のパーティとは対照的なものだった。 不景気で、皆ドレスを買う予算が足りなかっただけなのか。 それとも、私と同じような複雑な気持ちを抱いて、意図的に普段着で参加した人も中にはいるのかな。 お葬式にでも出られそうな真っ黒なスーツで参加した人を見て、何かに対する無言の抵抗のように思ったのは、私の勘ぐりすぎだろうか。 とにかくパーティは終わり、明日からも昨日までと同じように一日が始まる。

続きを読む

白いドレス。

レイオフ、リストラ、クビ・・・。 聞くだけで暗くなってしまうような言葉だけど、実際にそれが、私の勤める会社で行われた。 極秘で進めて、発表の時期や方法についてはごく一部の上の人たちで計画を練ったのだと思われるが、午前中のものの2時間の間にマネージャー、本人、そして本人が所属する部署のスタッフ・・・、各部署ごとに次々と会議が開かれ、誰と誰は今日からもう会社に出社しないという旨を伝えられた。 私のいる部署の9人のうち、2人がキラれた。部署の最高責任者であるディレクターと、一番新入りの女の子だ。 景気がどんどん悪くなる中、いつかはこんな事もあるだろうな、とぼんやり考えた事はあったけれど、たった1~2時間の間に社内で何の前触れもなくバタバタと行われたリストラに虚を突かれた様な思いで、ただ呆然とするしかなかった。 私のデスクのすぐ横は、社内、社外の総合受付案内のようなカウンターがあって、そこを担当していた男の子は電話交換手でもあり、社内の書類の流通、DHLの受付、各オフィスのキーの管理から会社に面接に来た人の履歴書の管理まで、何でも淡々とこなしていて日頃からこんなに真面目に地道に働く人も珍しいなと思うぐらいだったのに、その彼もレイオフにあった。 落ち込む。 私は会社経営の事などわからないし、大人の気持ちなど知る由もない子供のように、「あんなに一生懸命働いてた人をいきなりクビにするなんて。」とただ感情に流されているだけだけれど、それでもこの会社のすごいところは、こんな状況にあっても予定通り毎年恒例の社員ク…

続きを読む

ランチ。

今日は8時に出社し、昼に一旦退社。 午後6時半に再度出社して10時半に退社、というスケジュール。 今週から取りあえず始まってしまったスケジュールだが、こんなスケージュールが続くとそれこそ一日中、仕事のスケジュールに縛られる事になる。 マニャガハ島での仕事のように自営業なら一日中拘束されてもそれが商売だから、と頑張りようがあるけれど。 それでも午後、ぽっかり空いた時間に久しぶりに同僚のキャロリンと、最近出来た和食レストランでランチを共にした。 彼女は徹底したベジタリアンなので、レストランに入る前にメニューをチェックする必要がある。 幸い、魚料理がメニューにあった。 キャロリンは来週から2週間休暇を取ってあって、故郷のサウスアフリカへ飛び立つ事になっている。 目的地に着くまでは約2日かかるという遠い道のりなのに2週間というのはとっても短い気がして、「今からでも遅くないからもうちょっと長く休暇取れば?会社の事なんか気にしてる場合じゃないわよ。せっかく一年ぶりにママと妹(彼女には双子の妹がいる。)と楽しく過ごせるチャンスなのに。2週間なんて短すぎるわよ。」と「アドバイス」した。 サイパンの大学の先生をなさっているだんなさんの都合で2週間しか取れなかったらしいが、「じゃあ、だんなさん先に帰してあなたはもうちょっとゆっくりしてくればいいじゃない。子供じゃないんだから一人でサウスアフリカから一人で飛行機乗って帰って来れるでしょ?あなたもだんなさんも。」と言うと「あー、リョーコ。あなたは何でそんなに頭がいいの…

続きを読む