風と雨

台風がやって来た。 今回はまともにサイパンにぶつかったようだ。 台風の名前はナビ。これは韓国語だろう。意味は「蝶々」。 天気予報を見ると、その隣りにある台風は「タリム(TALIM)」という名前だった。どこの国の言葉だろうか。 朝の6時過ぎ、次男の担任の先生、長男の担任の先生から相次いで休校の連絡を受ける。 台風のコンディション1(台風注意報。3,2,1の順で強くなる。)なので、会社も休みで「自宅待機」だ。 唸る風の音を聞きながら薄暗い部屋でうつらうつらしていると、何と、この嵐の中をメイドさんがやって来た。彼女の家も停電らしい。 この嵐の中を来てくれるなんて、ありがたいというか何と言うか・・・。 しばらくしたら電気が切れる、つまり停電になるだろう。 電気が供給されてる今のうちにコーヒーを落とし、シャワーを浴びる。 シャワーを浴び終わってしばらくすると予想通りシューンと停電になった。 このシューンと停電になる瞬間はサイパンに住む人ならわかると思う。 今まで当たり前のようにあった電気の音が一瞬のうちに消えて静寂がやってくる。何の音もしないと思ってたのに、実は色んな「電気の音」にあふれていたのだと気づく瞬間だ。 落としておいたコーヒーを飲みながら部屋を見回すと、風の向きに寄ってベランダや窓から少しずつではあるけれど水が入ってくる。 閉め切った家の中は湿気がこもる。 雨が打ちつける外を見ると、パパイヤとココナッツの木が風にしなり、雨の向こうに見える、いつもはただただ青いだけの海に大きな白波が立ってい…

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ボクシング観戦記

体育館で行われるボクシングを観に行って来た。 サイパンの選手だ。(と思う。) 先週、私がうっかり約束をすっぽかしてしまったJの友達がうちに遊びに来てたので「罪滅ぼし」の意味も込めて一緒に観に行く事にした。 駐車場に車を止めて降りた途端、怪しそうなおじさんがどこからともなく現れた。 チケット、要る?と聞く、怪しげなおじさんの手にはチケットの束が。 一瞬、ニセモノのチケットかな、と思ってひるんだ自分に笑った。 後楽園とかの野球場にいるダフ屋じゃないんだから・・・。あ、でもあれもニセモノって訳じゃないですね。 おじさん「チケットあるよ。」 私「いくら?」(知ってるけど一応聞く。笑) おじさん「12ドル。」 私「(素直に人数分出そうとして、おっとっと、財布を引っ込める。大人は私一人で子供3人が一緒だ。)子供はいくら?」 おじさんは一瞬、宙を見て考え込み、「オトナと同じ。」と答えた。「取りあえずそう言ってみるか。」という言い方に私は笑い、おじちゃんも「やっぱりダメか。」というふうにへへへ、と笑った。何だ、子供料金もちゃんと決めてないのか。ふっふっふ。サイパンらしいな。 私「子供料金が大人と同じって事はないでしょ。」 おじさんは「そうだよね、高いよね。」と素直だ。ちょっと待ってと言い、他の車から出て来た相棒に何やら私にはわからない言葉で聞く。おい、子供がいるぜ、考えてなかったな。いくらにする?とかそういう事だと思う。 おじさん「(私に向き直り)子供は10ドルでいい。」と言い、畳み込むようにさっさと4枚のチケ…

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視力

我が家の次男、Aは生まれつきの弱視だ。 彼が3歳ぐらいの時、顔をハスに向けて横目で見る、というのが癖になっている、という事に気づいた。 私たちの家族に目が悪い人は一人もいなく、うちの実家もリーさんの方もどちらかと言えば、視力は皆とてもいいので、ちょっと目が悪いかなぁと思いつつそんなに気にしていなかった。 彼が5歳の年に、たまたま夏休みに日本に行って近所に眼科があったのでちょっと検査してもらおうか、と軽い気持ちで行ったのだが、その検査の結果、弱視だと言う事がわかった。私はそれまで弱視というのが何なのかも知らなかった。 検査は、視力を一時的に麻痺させると言う、ドロッとした点眼液を目に入れて30分程待たなければいけない。 まぶしくて目を開けていられない、というのを聞くとちょっと可愛そうにもなった。 検査が終わり、若くて優しそうなその先生は、私と向かい合って座り、「A君のお母さん、A君は検査の結果、弱視だという事がわかりました。」とそれはそれは重大な決意を込めたような口調できっぱりと教えてくれたのだった。 そして、弱視がどういうものかというのを分かりやすく説明してくれた。これから長期に渡って彼がメガネをかけ続けなければいけないと言う事、弱視用のメガネは元々の本人の視力を麻痺させ、メガネをかける事によって目の筋力を鍛える事になる、と確かそういう事を言われたと思う。 私は正直に言うと「はいはい、メガネかければよく見えるんですね?よかったーラッキー♪」という程度の気持ちだったのだが、続く先生の説明に不安にな…

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ビール

この写真は言うまでもなく、私がビールを飲んでるところです。 息子のJがこの写真を撮ったのですが、撮った時、Jは一人でとってもウケてました。 「ぎゃーっはっは。撮ったーっ。オンマがビール飲んでるとこーっ。うひひひ。アッパ(お父さんの事ですね。)に見せちゃおーっ。うひゃひゃひゃ。いいのーっ?いいのーっ?見せていいのーっ??あーっはっは。ちょうどビール飲んでるところ撮っちゃったー。またアッパに怒られるよーっ。うっひっひ。ホントーにいいんだねっ。見せちゃうよ~。ぶははは。」・・・何がそんなに嬉しいんだか。別に今更ビール飲んでるからって怒られるとは思えないんだけどね。 抜群のタイミングで撮れたのが嬉しかったのだろうか。 ま、見せたければ見せなさい。グビグビ。[emoji:v-275]

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ちょっと憂さ晴らし。

私は我ながらよくやってると思う。自分で言うのもなんですが。 リーさんにいつも「君はなってない。」と言われて頭に来てるので、ここで鬱憤を晴らす事にした。 仕事と子供を持っている女性は皆そうだと思うが、自分の仕事の合間に常に子供たちや家族のスケジュールを頭に入れて仕事をしなければいけない。 曜日によって子供たちの送り迎えを人に頼む手配、学校は2時半に終わり、私の仕事が終わるまでの間、子供たちは習い事をするのだが、会社からちょっと出て子供たちを習い事に送って行って会社に戻らなければいけないので、常に頭の片隅でその時間を計算しておく。ぴったり学校が終わる時間に抜け出すために仕事を調整して、お昼時間を短く取ったり、朝、早めに出社したりする。 一日の仕事をこなし、終わる頃になると、子供たちをまた迎えに行きながら、その後の夕ご飯の予定を立てる。夕食の準備の前には買い物をしなければいけないので、子供たちを迎えに行く途中でさっと済ませなければいけない。そのためには仕事中に今日のメニューを考えなければいけない。 そしてもちろん、こういう諸々の事は自分の仕事とは全く関係のない事なので、会社で与えられた自分の仕事はきっちりと済ませる、というのが大前提である。 家に帰れば夕食の支度、子供たちの宿題をさせる、今年からは宿題も難しくなって来たので、勝手に宿題しなさい、という訳にはいかなくなった。 子供たちの机とキッチンを、電子辞書と包丁を持ち替えながら行ったり来たりするのである。 そしてご飯を食べた後は、JJの夕食をタッ…

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夕食の話

昨日の「カーサウラシマ」での夕食に引き続き、あんずの家族とうちでバーベキューの夕食。 メニューは、バーベキューにリーさんの定番メニューの「つぶ貝の辛みそ和え」(골뱅이무침)、タイ人のメイドさんが作ってくれたタイのパパイヤサラダとパタイ(タイの焼きそばみたいなものですね。)そしてそしてメインは、ワタシの大好きな「生かにの辛みそあえ」(게장)ですね。これを作るのがとーっても上手な知り合いの方にお願いしたんです。作り方を教えてくださいと前からお願いしてるんですが、渋って教えてくれません。 教えてもらったところで、あの絶妙な味をワタシが出せるとは思いませんが、食べたいときに作って食べられないのは辛いですね。笑 うちではよく、友人を呼んだり、日本や韓国からのお客さんをご招待して夕食をみんなで食べる事があって、メニューは大体決まっているんですが、韓国料理は、自分で言うのも何ですが(あ、ワタシは別に何を作った訳でもないので)本当に飽きない。大好きです。 ちなみに、2日前には行きつけの韓国料理の店へ夕食に出かけたのですが、アツアツの辛いスープで汗だくになってるところで「停電」になりました。真っ暗、エアコンなしの、アツアツスープの三拍子で、ろうそくの明かりの中であまりの暑さに何が何だか分からなくなりそうでした。 日本からのお客様は、停電そのものより、真っ暗になった途端、慌てることなくささーっと一つ一つのテーブルに…

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